殴り書きノート

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話す技術|金川顕教

 

話す技術

話す技術

 

 無料だったので暇つぶしに読んでみました。

 

何点か文句みたいなことを書きますが、この本に書かれているように、話す技術というのはあらゆる仕事において必要なスキルでしょうし、自身の経験談を仕事上のトークに織り交ぜることが出来れば説得力が増すことも事実だと思います。

なので、わりと話が苦手な自分的には本書に出てくる経験談「1500本youtubeにアップしたら話が苦手な人でも慣れるよ」というのは分かりやすい具体的アドバイスであり、そんなに頑張って苦手を克服する人もいるんだなと思えたのが収穫かなと思います。

 

さて、まず本を開いたら181ページもあったんですが、字がデカくて1ページに5~6行しかありませんでした。なので30分くらいで読了。 

話す技術は簡単にいえば

  • 話下手な人はどんどん話して慣れろ
  • スマホやビデオで録画して改善点を見つけろ
  • 繰り返し練習すればコツが掴める

というような主張に思えました。

ちなみに、今では頻繁にセミナーを開くなど、話すことで収入を得ているという著者ですが、学生時代は勉強漬けの日々で人と話す機会がなく話下手だったとのことです。

では、著者がどのくらい話す練習をしたかといえば、これまでにyoutubeだけでも1500本くらいの動画をアップしているとのことです。1年でやるとすれば年中無休で毎日4本。2年でも毎日2本。はぁ、まぁ、そりゃ苦手意識がなくなるのも当然だろってほど膨大な練習量ですね。

何かのマンガのセリフで

「努力したものが必ず成功するとは限らん。

じゃが・・・

成功した者は

皆 すべからく努力しておる!」

みたいなことをじーさんが言ってた気がするんですが、そういうことなんでしょう。

 

さて、ここからケチをつけます。本書の中では色んな法則だのなんだので話す技術(パブリックスピーキング)が収入に繋がるよ!という論を補強してるんですが、爪が甘いというかなんというか。。いくつも不思議な点がありまして、ちょっと矛盾してないか?とか、言い方の問題じゃね?とかもあったんですが、最低限出版物にするならアンケートや法則の引用は正確にしたほうが良いと思いますのでそこだけ書いていきます。

  • 経営者の76%が「成功するにはコミュニケーション能力が大事」

日経ビジネスオンラインのアンケート結果として「成功するにはコミュニケーション能力が大事」と日本の成功者たちが答えていると書かれているんですが、本書だけでは肝心な質問項目が不明です。仮に

ビジネスで成功するのに大事な能力は何だと考えますか

のようなオープンクエスチョンであれば大多数の経営者がビジネスにおいてコミュニケーション能力が大事と言っていると言えます。が、

ビジネスで成功するのにコミュニケーション能力は大事だと考えますか

というクローズドクエスチョンであれば、コミュニケーション能力の重要性がどの程度なのかはっきりしません。少し大事?どちらかといえば大事?イエスかノーだけではその程度がはっきりしません。

そもそも何に成功するためにコミュニケーション能力が大事なのかも分かりません。もしかしたら愛の告白かもしれませんし。

しかもこの項、文章の途中で日本の経営者が日本の成功者にすり替わるという技法が用いられているんですね。代置法っていうんですか?不思議です。

  • 内容だけで勝負している人は収入に繋がらない

収入に繋がらない人の特徴として最初に挙げられている項目です。ここでは「メラビアンの法則」を引き合いにこの主張を補強していまして、内容としては

メラビアンの法則」というものをご存知でしょうか?メラビアンの法則とは、話し手が聞き手に与える影響力について研究された法則のことです。相手の第一印象は初めて会った時の3~5秒で決まり、またその情報のほとんどを視覚情報から得ているという概念になります。

また、第一印象で視覚や聴覚、内容の割合はどのくらいかというと、以下のように実証されています。

  • 外見 55%
  • 聴覚 38%
  • 内容 7% 

メラビアンの法則によると、話し手が聞き手(お客様)に対してセールストークを行ったとしても、全体の7%の割合でしか印象付けることができません。なので、あなたが話した商品の内容が良かったとしても、聞き手(お客様)はあまり印象に残らないということです。ということは、話の内容だけでは稼げないということです。

 違います。

この研究は好意・反感などの態度や感情のコミュニケーションについてを扱う実験である。感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であった。この割合から「7-38-55のルール」とも言われる。「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」ともいわれている。

メラビアンの法則 - Wikipedia

 どういうことかと言うと

  • 言語情報 超たのしーーー
  • 聴覚情報 震え声
  • 視覚情報 しかめっ面

の矛盾した情報を得た場合、割合の低くなる「超たのしーーー」という言語情報は嘘だろ!と反応してしまうということです。

なので、話の内容だけでは稼げない、というよりも、その場に応じた見た目(身だしなみ・表情)と声のトーンを意識しましょう、ピエロが笑顔で「お悔やみ申し上げます」って言っても説得力ないよってことです。

それと、第一印象は初めて会った時の3~5秒でってところは、メラビアンの法則ではなく、これまでの経験を基に、無意識に行動や選択をしているという「適応的無意識(だったかな?)」だと思います。

 

自分で本を出版したことがないから分からないんですが、ここに書いたこと以外にも誤字脱字みたいな簡単なミスもちょこちょこ見受けられたんですが、そういうのって出版前にチェックしたりしないんですかね?